
【はじめに】
白く輝くスイーツの誘惑。疲れた午後、つい手が伸びる甘いお菓子。

でも、その「砂糖」が、実は“食欲”を支配し、健康への静かな脅威になっているとしたら──。
本記事では、最新の研究と管理栄養士の視点から「砂糖」と「がんリスク」の深い関係に迫ります。


■ なぜ砂糖が危険視されるのか?──代謝の観点からのメカニズム
砂糖は体内に入ると急速に分解され、ブドウ糖と果糖に変わります。
ブドウ糖はエネルギー源として不可欠ですが、「過剰摂取」により以下のようなリスクを誘発します。
- インスリン抵抗性の促進 → 2型糖尿病リスクの増大
- 慢性炎症の誘導 → がん細胞の温床に
- 肥満促進 → 脂肪細胞からのホルモン異常
特に果糖(フルクトース)は、肝臓での代謝が中心で、脂肪肝やメタボの原因になりやすく、
これがまた別の疾患(肝がん・乳がん・大腸がんなど)の温床となります。


■ “食欲”を操る──脳内のドーパミン回路と砂糖依存
砂糖はただの栄養素ではありません。
中枢神経系に作用して“快楽”をもたらすため、脳内では麻薬にも似た依存状態を作ります。
- ドーパミンの放出 → 快楽感
- 耐性の形成 → より多くの糖を求めるループ
- 血糖値の急上昇・急降下 → 空腹の錯覚
これは単なる「甘いもの好き」ではなく、脳が支配されているとも言える状態です。


■ 超加工食品と“隠れ糖”──表示を見逃すな
市販の多くの食品には、「砂糖」と明記されていなくても糖が含まれていることがあります。
例:
- 異性化糖(HFCS)
- 麦芽糖
- ブドウ糖果糖液糖
- 砂糖入り調味料(ケチャップ、ドレッシングなど)
NOVA分類で言うところの**グループ4(ウルトラプロセスフード)**には、これらが多く含まれ、
**1食あたり10g以上の“隠れ糖”**が摂取されているケースもあります。
例)



■ 「白い悪魔」から距離を置く工夫──実生活での対処法
- 甘味の代替品に**自然な甘み(デーツ・干し柿・バナナなど)**を使う
- 間食・スイーツを週末の楽しみに制限
- 炭酸飲料・菓子パン・コンビニスイーツの購入を控える
- 成分表の糖質グラム数と原材料を必ず確認
■ 管理栄養士からのひとこと
「“甘さ”は心の安らぎにもなりますが、知らず知らずのうちに健康のリスクも。
現場(大学内食堂)では、学生たちの食事に糖が過剰に含まれないよう配慮し、
食材の自然な甘みを活かしたメニューを日々工夫しています。」
── 管理栄養士 佐々木氏 監修
(某大学内食堂勤務。学生たちの栄養マネジメントと献立設計を日々実践。)
【まとめ】
「砂糖=エネルギー」という単純な理解は、今や過去のもの。
過剰な糖質摂取は、がん、糖尿病、肥満、認知症など、さまざまな疾患のリスクと直結しています。
まずはラベルを見る習慣、そして“甘い快楽”との距離を少しずつ見直すことから始めてみてください。
次回はいよいよ最終話──
**「未来を守る、今日からの選択」:日米比較から見えた“健康習慣の分岐点”**です。